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ステンレス鋼はどうして錆びないのか?

■ 鉄筋はどうして錆びるのかを最初に理解する。

周知のように、自然界の金属のうち、金、白金などの貴金属が遊離金属の状態で存在していることを除き、他の金属は、例えば鉄(Fe)の場合、自然界では磁鉄鉱(Fe3O4)や褐鉄鉱(Fe2O3・xH2O)などの鉱石の形で非常に安定した状態で存在している。

一方で、人々は冶金により、鉄鉱石を鋼鉄に変化させ、すなわち鋼鉄を酸化鉄(鉱石)の安定な状態から不安定な状態へと変化させた。自然界の万物は全て、不安定な状態から安定な状態に「回帰」するきわめて強い傾向があり、これは自然の秩序である。鋼鉄が錆びるのは、この「回帰」現象の自然な反映である。

「錆びること」は、鋼鉄と大気中の酸素との作用であり、表面にFe 2+、Fe3+が形成されるが、これらは保護性のないゆるくてはがれ落ちやすい、鉄が豊富な酸化物又は水酸化物である。すなわち、鋼鉄がまた変化して「鉱石」に戻るのである。

鉄が錆びるのは、鉄が金属からFe3+に変化するイオン化のプロセスにおける典型的な腐食現象である。鋼鉄が錆びること(腐食)を防止するため、人々は表面に塗料などの措置を人為的に取ることによって、大気と鋼鉄が互いに接触するのを防止するしかない。しかしながら、塗料が一旦損傷すると、鋼鉄はさらに錆び続ける可能性がある。

■ ステンレス鋼はどうして錆びないのか。

ステンレス鋼が錆びないことは、かつて人々から「非常に不思議な」な現象だと考えられていた。しかしながら、長い間の研究と実践により、人々はこのことについて既にはっきりと理解している。すなわち、ステンレス鋼が錆びないことと、鋼鉄が錆びることの二つの事柄は、同一の自然現象に属する。

研究により、鋼の中のクロム含有量が増加するにつれて、鋼の耐蝕性が増加することがわかった。以下の曲線から、鋼の中のクロム含有量が11〜12%以上になった後、鋼の大気中の腐食性が「錆びる」から「錆びない」に突然変化することを見て取ることができる。これは鋼の中のクロム(Cr)と空気中の酸素(O2)が結合して、鋼の表面に非常に薄い、無色透明な、十分に光沢のあるクロムが豊富な、一層の酸化膜が自動的に形成されるためである。この層の膜は保護膜と呼ばれ、正にこれはステンレスが錆びないように保護して、新品同様ピカピカにさせている。

■ なぜ酸化クロムは鋼を錆びから保護できるのか。一方、酸化鉄はより速く腐食するか。

クロム原子の大きさは酸化クロムの大きさと似ているため、それらは金属表面上にきちんと配置され、わずか原子数個の厚さの安定した層を形成できる。一方、鉄原子は酸化鉄よりだいぶ小さいため、形成されるのはゆるい酸化物で、はがれ落ちやすい。

ステンレス鋼の表面層は肉眼では見えない保護膜である。非常に薄い(約2~5㎚ナノメートル)が、表面に連続的にしっかりと付着しており、非常に安定していて、はがれ落ちにくい。酸素が存在する限り保護膜が自然に形成され、たとえ損傷してもすぐに自己修復する。

クロム含有量が多ければ多いほど、保護膜はより強固になる。鋼の中のクロム含有量が≧19%まで増加した時、鋼の保護膜は結晶質膜から非晶質膜へと変化する。非晶質膜は欠陥が少なく、表面が均一で、クロム元素がより豊富に集まりやすい構造であるため、普通の結晶質膜と比較して、より優れた強度及び耐蝕性を有する。

■ 結論:ステンレス鋼はどうして錆びないのか?

ステンレス鋼の錆びない性質は、鋼の中のクロム含有量によって決定される。クロムがないステンレス鋼はない。国内外における多くの研究と実践により、クロムは、鋼を不動態化させ、かつ鋼に錆びない性質、耐蝕性を持つようにさせ、かつ工業的使用価値を有するようにさせる唯一の元素であることが明らかになった。ステンレス鋼は、クロム無しでは存在しえない。

出典:中国特钢企业协会不锈钢分会
https://mp.weixin.qq.com/s/8lVLiJk7VJXgEs0OyPMNKA

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